なぜセルフマッサージが大事になるのか?
市民ランナーの方々でセルフマッサージを習慣にしている方がいらっしゃるでしょうか。マッサージをする時間があるならその分トレーニングをしたいと思っている方も多いでしょう。
セルフマッサージをすることが、ランナーにとってそんなに重要でしょうか?今回はセルフマッサージの重要性、実施方法について検証していきます。
重要性はわかっているから、実施方法のみ知りたいという方は後半の実施方法へ飛んでいただいても結構です。
ランニングは怪我をせずに継続することが大事
健康のために走り始めたという方は多いと思います。そしてランニングを習慣づけることができると、多くの方は距離や時間を延ばしたり、ペースアップしたりとトレーニング量を増やしていく傾向にあります(いわゆるランニングにはまる状態)。もちろんそれに伴い心肺能力や筋力は向上していっているのですが、その裏では体が悲鳴を上げている場合も多いのです。
運動は身体に刺激を与えることで、体を強くもしますが、程度を間違えたり回復をしないと怪我につながります。
「運動を継続しているから、私は健康に気を使っている」という認識は絶対ではありません。
体の不調を引きずったまま無理をすべきではなく、慢性疲労やそれに伴う怪我を、可能な限り防ぎながらトレーニングを継続していくことが大事なのす。
怪我や疲労を積み重ねないために必要なケア
ランニングは持続的負荷をかけ続けるという、疲労蓄積と縁の切れないスポーツであるのも事実です。それを踏まえたとき、どうしても疲労回復を少しでも早めるための対策が必要になってきます。
回復を早めるための対策の一つがセルフマッサージ
生活をしていく中で、疲労回復のためにすることといえば、一般的に「栄養補給」「入浴」「睡眠」などがあげられると思います。これは運動をしている方していない方共に必要だと言えます。
そしてランニングやその他運動で体に負荷をかけている人は、更に積極的な回復に努める必要があります。それは入念なストレッチであったり、ヨガなどの整える運動であったり、また今回取り上げるセルフマッサージだったりするわけです。
ケアは基本自分自身でいつでもできるほうが良い
セルフマッサージというと、何かすべて「自分の手」で行わないといけないと思いがちですが、全て自身の手を使って揉んでいては大変ですね。
マッサージ器具やグッズに頼ることは全く問題ないですし、もっと言えばマッサージ機を使用してもオーケーで、可能な限り負担の軽くなるものを用意すべきでしょう。重要なのは、セルフケアを習慣をづける認識を持つことが大事です。
あくまで自分の習慣として何らかの方法でマッサージをすることがここでいう「セルフマッサージ」になります
多くの方はだいぶ疲労が溜まってから何らかの処置をする場合が多いでしょう。しかし疲労が蓄積してからだと、処置をしてもなかなか疲労が取り切れないでしょうし、怪我を引き起こす原因にもなります。
マッサージ、針灸、整体などの施術院に行き、プロの施術を受けることは自身の労力を使わなくてよいというメリットがあります。但し、思い立っても急にはいけないでしょうし、毎日のように行く訳にはいかないでしょうから、実施頻度が落ちてしまいます。セルフマッサージの良い点は毎日でも自分の希望する時間に行えるという点です。
セルフケアの肝になるセルフマッサージ
ストレッチやヨガ等のセルフケアもとても大事ですが、筋肉の疲労に対してはセルフマッサージが断然効果を発揮します。筋肉の疲労は「点」というか狭いエリアで発生していることが多いので、不具合箇所に「点」で処置できるセルフマッサージは効果的なのです。
セルフマッサージはセルフケアの肝といえるでしょう。
セルフマッサージを習慣づけよう
セルフマッサージは習慣づけることが大事です。ランニングのすぐ後などは筋肉が熱を帯びており、激しい運動後は軽い損傷や炎症を起こしている場合もあるので、できれば夜寝る前などに5分や10分でもやる習慣をつけましょう。
セルフマッサージおすすめ箇所5つとそのやり方
今回はランニングに絞ってその運動の継続と疲労や障害を予防するためのセルフマッサージについて、重要なポイントになる箇所とその理由、セルフマッサージの方法を紹介いたします。
それぞれの部位に特化したマッサージ器具も簡単にご紹介いたしますが、便利なのは今ガン式のマッサージ機が出ており非常に性能が良いので、楽に各箇所をほぐすことが可能です。背中の真裏までは届きにくいかもですが、それ以外の箇所でしたらまんべんなく疲労箇所に当てることができるので、非常におすすめです。
色んな箇所へ使っている方の動画も出ております。今回はこちらの動画でいろいろ細かく解説されていて分かりやすかったので引用させていただきました。
①足裏
足裏は直接地面の衝撃を受ける箇所であり、着地を繰り返す行為であるランニングにおいて負担は避けて通れない場所です。
そして意外と見落とされがちなのが、足裏の柔軟性です。もし今まで足裏のマッサージなどをしたことがない方は1週間やってみてください。足裏がする前と比べてとても柔らかくなっていること、そして血行の良い色に変わります。ランニングの衝撃をまず受けてくれるとても頑張ってくれている場所ですので、いたわってあげたいですね。
足裏マッサージのやり方
1・指圧
ご自身で足裏をまんべんなく押してみると誰もが「効く」というポイントがあるのではないでしょうか。多くは土踏まずのエリア付近にそういう個所を感じると思いますが、人によっては足の外側、指の付け根付近、かかと付近、などに凝りがある方もいるでしょう。指圧は自身の母子(親指)等を使ってもよいですが、指が疲れると思いますので簡単な器具を使用するほうが習慣づけられるのでお勧めです。
こちらの動画はすごく丁寧に解説をされているので引用させていただきました。ぜひご参考ください
手が疲れるという方、指の力が弱い方は無理せず器具をお使いください
2・足裏マッサージ器具
「自分の労力は最低限にしたい!」というお忙しい方には機会にお任せの足裏マッサージ機をお勧めいたします。やはりなんでも継続するためには負担は軽いほうがいいですよね。もちろん初期投資は少しかかりますが、日々のケアはスイッチ一つであとは座っていればよいということでリラックス時間としても効果ありです。
一つだけ言うと自分の凝っているポイントを、一度は指で毎回ではなくてもよいので確認しておくとよいと思います。機械はある程度は自分でエリア調整も可能だと思いますが基本全体的ほぐしになりますので、自分の急所というか凝りポイントはしっかり把握したうえで実施してください。
3・割竹踏み(のような器具)
習慣的に気軽に行える点では、一番やりやすいのではないかと思います。両手は空いたままでいいので何かしながらでもできますし、身体的負担も軽いのではないでしょうか。ランニング後や日々の動きの中で足裏の中でも疲労や血行不良、筋肉の拘縮等が起こってます。簡単に言えば踏んでみて「痛いけど効く~」というような箇所をしっかりほぐすことが大切です。長い時間やる必要はないので頻度を高めましょう。
②足首周辺
足裏の次に着地衝撃のパワーを受け続けるのが足首周りになります。足首周りが固いと特に衝撃の緩和ができず、且つ体をうまく前方に運ぶ動作がスムーズに行われないため、より負担の大きな場所になってしまいがちです。
足首周辺は くるぶしの下(いわゆる足首やアキレス腱周辺)とくるぶし上(ふくらはぎ下部)をターゲットに疲労がたまってきている場所をマッサージします。
足首周辺のマッサージのやり方
1・指圧(もしくは手掌でもオーケー)で抑えて効くところをじんわりマッサージ。
足首付近は結構ダメージの蓄積が溜まっている人が多いと思いますので特に内くるぶし付近は抑えてみて凝りや、「効く」痛みのある方は一度にというより頻度を上げて優しくマッサージしましょう。ややデリケートな部分でもあるのでポイントとしてはあまり強く押したりせずさするようなマッサージでもよいので頻度(毎日)するように心がけましょう。
2・足首回しをとにかく念入りに実施
マッサージという言い方にちょっと例外的にはなると思いますが、足首回しを念入りに実施することでかなり疲労は取れます。「軽くほぐす」というイメージではなく「隈なく念入りにほぐす」という感じです。しかも同じところを持って行うのではなく、いろんな場所を持って行うことで様々な関節に効くので、(足首回しといえなくなるかもですが)時間をかけて実施してみてください。
足裏から足首からふくらはぎにかけてまで結構疲労を軽減することができますのでお勧めです
1・2含めて下の動画で効果的に解説をされていましたので、ご覧ください
3・マッサージ機
足裏の時にも言いましたが、やはり「労力最小が最優先!」という方にはマッサージ器をお勧めいたします。足裏と同じく、座っていればいつの間にか完了というお任せ的なものばかりですので、ぜひお疲れで基本ケアは機械に任せたいという方はマッサージ機で日々のケアを習慣づけましょう。
機械によっては足首だけでなく足裏からふくらはぎまで一貫して行えるものもありますので、お好みのもの選んでいただくとよいと思います
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③殿筋
大殿筋を中心にお尻の大きな筋肉群はマラソンという疲労との戦いであるスポーツにおいて、非常に大切な筋肉であるということを何度か語ってきました。しかし筋持久力やパワーを持つ反面、蓄積してもすぐに表面化しないという側面を持つことになります。
放っといて、たまにマッサージをするとこんなに疲労がたまっているのかというぐらい効く(痛い)ことになるでしょう。そうならないためにも日頃よりケアする習慣を持つことで、落ち込みのないパフォーマンスを出すことができます。
また殿筋の疲労はすぐ上の腰部の疲労につながり、腰痛を引き起こすこともしばしばです。腰痛がある人は腰だけでなくかえって殿筋の疲労蓄積も可能性がありますので、殿筋のマッサージを是非お勧めいたします。
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殿筋のマッサージのやり方
1・テニスボール
昔からよく言われているお尻をほぐすための方法です。テニスポール(人によってはゴルフボールやスーパーボールのやや大きめ)などをお尻のいわゆる「効く」部分に当てて体を動かすことでゴロゴロボールを動かしてほぐします。大きさや固さなど人によっては合わない場合もありますので、一度試してみて、あまり感覚としてよくない場合は無理せずほかの方法を選択してください
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2.マッサージ器具(フォームローラー等)
ここ何年かで良く耳にする「筋膜リリース」という言葉、その器具としてよく進められているのが、この「フォームローラー」のような器具です。筋膜リリースということが実際この器具でできているのかはともかく、筋肉の固くなっている部分をほぐすことが可能ですので、お尻の固くなっている部分にあててテニスボールと同じようにコロコロ「効く」部分にあててください。
テニスボールは「点」のように効くポイントを押さえられましたが、ホームローラーはエリア全体をほぐす感覚になると思うので、通常の日々のケアはホームローラーで行い、負荷の高いトレーニングを実施するなど体にダメージの蓄積が溜まった感じになるときはテニスボールなどでポイントを押さえて実施するとよいでしょう。
④背中
理由:ランニングは背中とお尻で走るとも言われている背中のほうです。ここでいう背中は位置的に言うと肩甲骨よりは下の高さの背中と考えてください。背中は走りの上で上下の衝撃を「S字カーブ」で吸収しばねのように反力に変えるために柔軟性が必要になります。背中が固いと、「ランニングの衝撃が背中に蓄積する」ので、長い距離を走ったり少し強度の高い走りをすると下半身より先に背中が真っ先に根負けしてしまします。そのほかの弊害として「呼吸が浅くなる」でしょう。背中側の肋骨の可動性が失われるために、肺の収縮も制限され、呼吸が浅くなってしまい、走りに影響します。最後に「走りに伸びがなくなります」背中が柔らかくなっていると着地の反力を背骨のS字カーブでばねのように生かして伸びのある走りに変えることもできます。
背中のマッサージのやり方
1.自分の手を使ってマッサージする
背中はなかなか手が届きにくいところでもありますので、まんべんなくマッサージすることはできませんが、現代人は生活習慣の中でほぼ慢性的に背中が固くなっている状態ですので頻繁に短時間でもよいのでやるようにしましょう。2週間も継続すれば固さの変化が実感できるでしょう。そして大事なのはそのあともさらに継続することです。
2.筋膜リリース器具(フォームローラー等)
手が届いてしかもマッサージで力を入れることは難しいので、背中の中間から上のほうをほぐすには何らかの器具等を使用する必要があります。お尻のところでも紹介しましたがフォームローラーを使用するのが良いと思います。すごくかたい人はいきなりやると結構痛みがあるかもですが、継続していけば背中が柔らかくほぐれてくると思います。ただしこのフォームローラーは刺激が強めなのでやりすぎは注意です。
3.ストレッチポール
フォームローラー程能動的な動きで積極的にほぐすのではありませんが、このストレッチポールは非常におすすめです。簡単に背部全体をリラックスさせる効果もありますし、大きな力を入れる運動ではないので継続もしやすいと思います
4.マッサージ器具(ポイントで凝りがある人)
背部全体というよりも凝りのポイントが、「点」であるような方、「この箇所が良く凝る」という方は昔ながらの指圧器具などを使用してみるのもよいと思います。ポイントにあてて寝るだけなので大きな運動は必要ありません。長時間やりすぎず、10分位の習慣としてやるとよいと思います。代表的な器具の紹介です。家にあるという方もいるのではないでしょうか。
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⑤肩周り(肩甲骨周辺から首回りまで)
肩回りの筋肉が固いといろんな悪影響がでます。その一つが「肩甲骨の可動性がなくなる」です。あと「首回りの緊張が疲労感を生みます」首周りには血管、神経、とその周りに筋肉が張り巡らされており、そ首回りが緊張すると疲労度が増します。逆に首周りが緊張なくリラックスした状態で走ると、長距離でも疲れが出にくいままランニングを継続できます。
肩首周りのマッサージのやり方
1.自身の手でマッサージする
肩回りになると肩甲骨付近まで手が届いて且つマッサージをする力を入れるにはそれなりの柔軟性と力が必要になるので、返って疲労の蓄積になる可能性があります。首周り付近ならまだ手が届きやすいので自身で行うなら首回りメインに行いましょう。下の動画で首の筋肉も含め非常にわかりやすく説明されてらっしゃるので引用させていただきました。お勧めいたします。
2.器具(フォームローラー等)
フォームローラーの方向を変えて、肩甲付近に特化してマッサージしてみましょう。肩甲骨にはそれだけの時間と労力をかける価値があります。現代病といえるスマホパソコン社会で、肩甲骨の可動性を失ってきている方はおおいです。下の動画のように何度か実践することでたいていの人は驚くほど肩甲骨周りが軽く動くようになるはずです。ただし固くなっている人は結構痛いと思います。しかし善は急げということですぐに取り掛かりましょう。
2・マッサージ機(電動タイプ)
自身の労力はできるだけ少なくお任せしたい人は電動で背中周りを中心にマッサージしてくれる良い機器もでております。こちらの器具は非常に効果も高く、肩甲骨、背中、お尻くらいまでをマッサージしたい人はこれがあれば十分かもしれません。忙しくて体力は有り余ってないけど、しばし座っている間にケアができているとというのが理想の方は是非。初期投資は少しかかりますが十分価値はあるのではないでしょうか。今回は下の商品をお勧めさせていただきますが、ご自身で良いものや気に入ったものがあればそれをお使いいただいても結構です。
以上挙げた5つのポイントはランニングのコアになる場所ですので、ここが疲労したり状態が思わしくないとよい走りはできません。常に念入りにやる必要はありませんが、良い状態を維持できるようにこまめにケアしましょう。
自分でやるのが難しいという人は人にやってもらうこともOK
ケアの頻度や習慣さえ意識づけできれば良い
ケアを自分でできない場合はは人の力をかりることも全然OKです!
上記に挙げた箇所でもなかなか、背中や肩甲骨周りをもちろん自分の手ではマッサージできないと思いますし、器具を使用して何とかというところかもしれません。ただし大事なのは自らやることによって自分の疲労のポイントや蓄積具合を測る感度を上げることが重要です。
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そしてもし自分で難しい場合は人の手をかりましょう。パートナーの方がいればその方にやってもらうとか、プロの方に費用を払ってお願いするとかも大事です。その場合でも可能な限り定期的なケアを心がけることが大切です。健康にお金をかけるのは病気の治療にお金をかけるよりよっぽど建設的ですからね。
大事なのは健康の維持
セルフマッサージのことについて書いてきましたが、ランニングという限られたモードに限らず、健康のためには結構自ら意識してケアをしていかなければなりません。あくまでランニングもそうですが、「健康の維持」が大きなテーマです。それが損なわれてしまうと、その上にいくら積み上げていこうと思っても何も載らない、または積んでもくずれてしまうのです。
ただ普段大きな怪我や病気をするわけでもない状態、いわゆる中途半端な健康状態にいるとケアを忘れがちです。そこで運動の刺激と疲労や障害防止のためのケアとの両輪がうまくかみ合うと好循環の健康維持が可能になるのです。
まとめ
・まずはランニング(ほかのトレーニングにしても)疲労や怪我無く継続できるコンディション作りが大事であり、そのための対策の一つがセルフマッサージである。
・セルフマッサージの利点は自分の都合の良い時間にいつでも実施が可能なことである。
・体の中で特にランニングでは疲れの溜まりやすい箇所があるので特にそこを重点的にマッサージするようにする。具体的には「足の裏」「足首周り」「殿筋」「背中」「肩回り」である
・マッサージの方法は自分の手や器具、または機械を使ってもオーケーで大事なことはいかにケアを習慣づけられるかということである
・最終的には健康の維持が目的なのでそこを見失わないようにする
いかがでしょうか?どうしてもランナーの皆さんはストイックに走り過ぎる方やトレーニング強度にこだわりがちですが、健康の維持が前提にあることを常に頭の片隅に置いておくようにしたいですね。
ランナーの皆様のお役に立てたら幸いです。ご評価お願いいたします!!