ランニングエコノミーの高いランニングフォームを手に入れよう
ランニングエコノミーを高めるにはランニングフォームの改善が不可欠である
フルマラソンを走るためには誰もが膨大なエネルギーを消費する
フルマラソンを走りきることは
誰にとっても大変なエネルギーを要します。
プロのランナーでも一般ランナーでもそれは同じです。楽に走れる人などいないでしょう。楽になるとは口が裂けても言えませんが、もし今までより少しでも労力、エネルギーを使わずに走れたら良いと思いませんか?
ランニングエコノミーを高めよう!
フルマラソン42.195kmという距離を楽に走りきることはできないにしても、少しでもエネルギーロスを抑える事は、工夫と努力によって可能です。我々市民ランナーにとっては、フルマラソンをいかに効率よく走り続けられるか…がポイントになります。
1番大切なことは、ランニングエコノミーを高めること。効率の良いランニングフォームを手に入れる事です。
良いランニングフォームをマスターすれば、今までより少ない労力で走り続ける事ができます。下記に効率良いフォームのメリットをあげていきましょう。
フォームをよくする事で得られるメリット
怪我を少なくできる
効率の悪いフォームは体の負担も大きく、疲労が蓄積しやすいので怪我のリスクが高まります。ランニングエコノミーを高めることで、怪我のリスクが低くなります。
余計な筋肉が付かない
ランニングを続けている反面、脚が太くなったり、変に筋肉がついてしまう方はいます。末端の筋肉(ふくらはぎ、足首を動かす筋肉)を必要以上に使っている事が多いのです。
ランニングエコノミーが高いフォームはお尻周りの大きな筋肉を使うので、脚は細く、お尻が締まります。
フォーム以前に、ランニングする上で常に持ち続ける基本意識
走る上で基本持ち続けて良い意識があります。
持ち続ける=無意識レベルでの意識付が理想です。以下の意識をベースにしてその上でフォームを上乗せしていきましょう。
ベースになる意識
姿勢を良くする。
※上半身は真っ直ぐ、前傾後傾もしない、骨盤にリラックスして乗ている位置が理想。(背中側が張ってない状態を作れるようになると、パフォーマンスが向上します。)
お腹は力は入れず、臍下(丹田)あたりからお臍上(みぞおち)あたりをすっきり伸ばし、腹式呼吸しやすくします。
※腹式呼吸のお腹は奥行きを膨らますというより縦方向に少し伸び縮みするイメージです。
マラソン呼吸意識改革‼︎ ランニングは腹式呼吸で走るようにする事でランニングエコノミーを高める
前傾姿勢を長時間腹筋や背筋で支えると疲労度が大き過ぎるので、反らなければ良しくらいの位置にしてください。体幹は意識的に固めたりはしません。固めることは筋肉の疲労を大きくします。呼吸も苦しくなります
マラソン姿勢意識改革‼︎ ランニングでの上半身の使い方をマスターし、ランニングエコノミーを向上させる
ストライドは意識しては広げない。
ストライドは広げようとして広がるものではないです。やや狭いかな?と思うくらいがちょうど良いです。そこを現在のベースとします。
フォームが洗練されていけばスピードが上がってきます。スピードに比例してストライドは大きくなるので、広げすぎないように走りましょう。
四肢の末端の筋肉主導では始動しない。
主に股関節(お尻)の筋肉を使用して走ります。特に膝下は意識的に力を入れないように注意します。
力感としては6割から7割程度で走る。
マラソンは全力疾走はしません。力まず走る意識が必要です。フニャフニャにではなく6、7割の力感を意識します。
ランニングエコノミーの高いランニングフォームを動画解説する
ランニングエコノミーの高いフォームとは?
実際にランニングエコノミーの高いフォームの動きとはどういうものなのか。
そこで、世界一のマラソンランナーエリウドキプチョゲ選手の、ランニングフォーム動画を元に解説していきます。
世界一の走りを参考にする
全く同じ走りは出来なくても我々市民ランナーには非常に参考になります。
キプチョゲのフォームを動画で観てみよう。
脚の動きと上半身の動きをみていきましょう。
*動画上の時間をその動きの解説の後に記載しているので確認ください。
動きの解説は、最初は分かりにくいかもですが、何度もみるうちに少しずつ動きがわかってきます。
走りの途中からの解説になりますが、止まっている状態からでも基本同じです。解説には体の箇所を指す言葉も出でくるので、まずその説明も少ししておきます。
キプチョゲフォームを分解する
走りの始動は骨盤(大転子)からが基本です。
大転子とは下の図
のとこになります。骨盤と大腿骨(太もも)の間の多くの筋肉が付着している場所です。
最近多くのランニングの本で書かれているように、走る上で意識する重要な箇所になります。
上記のお尻の筋肉も走る上では非常に大切な筋肉ばかりです。それでは前置き長くなりましたがキプチョゲ選手の動きをみていきましょう。
動画をみていきましょう
動画詳細分析
- 先ず大腿骨の一部である右大転子を前方に動かします。
- それに伴い同じ側の大転子より下の大腿と、同じ側の上半身が連動して動き出します。(ここまでで動画上の0:04〜0:05)
- 右大転子の主導で、大腿が前方向に動くのと、反対(左側)の脚が着地する動きも同時進行します。
- 右側が前方向に動く事で反対(左側)の大転子から下の脚が前方向への動きが制御されてそれ以上前にいかないようになります。(★この左右の切り返しの動きが、走りのリズムとを生み、間伸びしない走りのコツです)
- 左脚はその状態からハムストリングス(太腿裏側お尻の付根あたりの筋肉)を意識して真下に下ろします。(ここまでで動画上0:04〜0:06)
- 左足が着地します。着地は体の重心の真下で。足首や膝の力を入れずに股関節(お尻の筋肉)で受けます(一瞬)
- ★その時点では骨盤は横から見ると丁度真っ直ぐになっていて捻れてない位置にきます★(この位置関係ポイントです)この左右が交差する小気味良さがスピードを生みます。
- 着地衝撃はズンと受け止めるのではなく、一瞬の支点となるだけで、受けた地面からの反力のパワーを前進運動のパワーに効率よく変換します。
- ※腕振りは力を入れる必要はなく、リズム良く着地に合わせて振り、切り返しのタイミングが間伸びしないように気をつけます。(ここまでで動画上0:06〜0:07)
この間で使う筋肉の意識としてはっきり言えることがあります。
筋肉は着地直前と瞬間迄は太腿の裏の筋肉(ハムストリングス)を意識、着地後臀筋(お尻の筋肉)を意識して使います。
着地直前から、着地、着地直後の期間で前太腿、ふくらはぎ、足首周りの筋肉は意識上一切使いません。
10.着地の反力をもらいつつ、左臀筋からのパワーで左側の大転子が素速く前方に動きます。(右側と同じ様に、連動して左大腿と左上半身が前方に動きます。)左膝下は脱力することで、てこの原理で勝手に跳ね上がる形になります。
上半身は固めず、伝わってきたパワーをうまく伝え、背骨がバネの様にグンと弾んで、前方向の動きに変えていきます。その動きも間伸びせずすぐにまた左右が切り替わります。(ここまでで動画上0:07〜0:09)
この繰り返しです。いかがでしょうか?動画で言えばたった5秒ほど、歩数では二歩の動きですが奥が深いですね。
もちろん皆さんが意識しなくてもすでにできている事もたくさんあるでしょう。でも改めて気づく事も多いと思います。動きの中でのポイントを簡単にまとめれば、
- いかに末端の筋力を使わずに着地での反力を利用して身体を前に持っていけるか
- 切り返し(シザース)動作をいかにテンポよく力まず行えるか
ランニングのシザース動作とは?徹底分析&マスターで更に効率の良い走りを手に入れよう!
この2つがランニングエコノミーを高めるカギなのです。まずはこの2つのポイントもしくは1つからだけでも意識しましょう。
勿論フォームだけでなく心肺能力や筋持久力等を高める練習は必要ですが、まずこのフォームのベースの上に、又は同時進行で積み重ねていきましょう。
まとめ
ランニングエコノミーを高めるためには効率の良いランニングフォームを修得する事が必要である。
①効率の良いランニングフォームの準備として、力みなく骨盤の上に乗った上半身
②安易にストライドを広げようとしない事、末端の筋力を使わずに走り、力感は6〜7割を意識する。
③ランニングフォームは今までの癖や意識が残っているため、すぐに変わるものではないかもしれませんが、その中でも2つのポイントである、反力を最大限に利用する動きと、切り返し(シザース)の意識は特に意識して行う事。
皆さんのランニング練習に少しでもお役に立てればと思います。
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